[ TIPS | FreeBSDトップ | FIVA2 ]


FIVA

daemon


Introduction

番外編 -- CASIO FIVA-206VL の環境構築
Overview

CASIO FIVA-206VL に Windows 2000 と FreeBSD を導入し、 mode スイッチの A/B で Windows と FreeBSD を起動させ、 更にハイバネーションをさせる為の設定方法を備忘録として残す。
手順

大まかな手順を以下に示す。
  1. BIOS の設定
  2. Windows 2000 をインストール
  3. Windows 2000 の設定
  4. FreeBSD用の領域確保
  5. FreeBSD のインストール
  6. Windows/FreeBSD の起動確認
  7. ハイバネーション領域のフォーマット
  8. FreeBSD の環境設定
上記のステップを実行する事で、何とか目標は達成した。
BIOS の設定

BIOS画面(起動時のCASIOのロゴが表示されている状態で F2 キー押下)で、 以下の設定を行い HDD の転送を Ultra DMA Mode 3に変更する。

Main → Primary Master での設定
Type User
32 Bit I/O Enabled
Ultra DMA Mode Mode 3
Power
Suspend Mode Save To Disk

Windows 2000 インストール

プレインストールされている Windows Me は使いづらいので、 使いなれた Windows 2000 Professional をインストールする。
まずは BIOS 画面で OS Switch を disable に変更する。
次いで Windows 2000 のインストール作業を開始する。
FIVA の純正CD-ROM ドライブからはブートできるが、 Windows 2000 のインストール CD-ROM は USB 接続のFDDドライブを認識しないので、 CD-ROM ドライブのドライバがロードできずにインストーラは終了してしまう。 そこで、USB 接続の FDD ドライブから Windows 2000 の起動FDを使用して起動、 Windows 2000をインストールする。
なお、FIVA 純正のCD-ROMドライブに添付されているドライバFDは不具合がある様で、 Windows 2000 のインストーラが正常にドライバをロードできないので、 ドライバFDのバックアップを作成して中身を修正する。


OLD NEW
ディレクトリ名 \Win2k \Win2000
\TXTSETUP.OEM d1 = "Setup Disk #1", \disk1, \win2k\ d1 = "Setup Disk #1", \disk1, \win2000\

以降は順調にインストールが終了する。
Winwos 2000 の設定

CASIO が正式に Windows 2000 対応ドライバを公開してるので、 Windows 2000 をインストール後でこれらを導入すれば全てのデバイスが 問題なく使用できる。 公開されているドライバは以下の通り。

  1. IDE ATA/ATAPIコントローラ
  2. VIDEO
  3. Pointing Device
  4. Internal LAN
  5. Audio & Modem
  6. MobileCockpit II
Mobile Cockpit II は液晶右のボタン及び、 Crusoe の LongRun がコントロールできるのでインストールすると便利。
FreeBSD 用の領域確保

PartitionMagic を使用して FreeBSD をインストールする領域を確保する。
FIVA は出荷時に Windows Me と Linux がインストールされているので、 Linux の領域を広げて FreeBSD 用とする。 Save to Disk でハイバネイションさせるための領域も確保する。
FreeBSD 用に約 10GB、ハイバネイション領域に 260MB、 それ以外を Windows 用の領域として残す。
参考までに現在のパーティション設定を以下に示す。

DISK Geometry: 3648 cyls/255 heads/63 sectors = 58605120 sectors (28615MB)
Offset Size(ST) End Name PType Desc Subtype Flags
0 63 62 - 6 unused 0
63 24579387 24579449 ad0s3 3 freebsd 165 C
24579450 33479460 58058909 ad0s1 2 fat 12
58058910 546210 58605119 ad0s2 1 unknown 160
FreeBSD のインストール

通常通り、FreeBSD のインストールを行なう。
Partition の設定画面では、 ハイバネイション用に確保した領域を忘れずに sysid を 160 に設定する。 FreeBSD のインストール自体はとても簡単に行なえ、 特に注意をする必要はない。
Windows/FreBSD の起動確認

BIOS の OS switch を enable に設定し、モードスイッチで Windows/FreeBSD の起動を確認する。
ハイバネイション領域のフォーマット

Save to disk 用の領域をフォーマットする。
Web で調べると phdisk.exe というツールを使用すれば良いそうなので、 さっそく google で検索し入手する。 注意しないといけないのは phdisk.exe のバージョン。 古いバージョンの phdisk.exe は FAT32 に対応しておらず、 使用すると大変な事になる(2度もはまった)。
その後、FreeBSD 上からもハイバネイション領域をフォーマットできるツール phformatを発見。 結局こちらを使用している。使い方は至って簡単。

# make phformat
cc -O -pipe phformat.c -o phformat
# ./phformat
The phformat.dump was created.
Run following command as root if it seems OK.
# cp pformat.dump /dev/adXXX
# cp phformat.dump /dev/adXXX

これだけで終わりです。
FreeBSD の環境設定

FreeBSD の環境を構築する。まずはお約束なカーネルの再構築。
岩崎さんの公開している AMP 関連のパッチを適用し、 カーネルコンフィグファイルを作成する。 例によって不要なデバイスやドライバを削除するが、apm の設定等は変更する。
基本的にカーネル再構築のペイジと同一である。 FIVA 用として特に設定したのは apm に関する設定だけ。

device apm0 at nexus? flags 0x20 # Advanced Power Management APM の設定変更で Save to Disk 可能とする

Crusoe の LongRun はカーネルモジュールとして既に組み込まれているので、 sysctlを使用してアクセス可能である。
MIB 名は hw.crusoe.longrun であり、この値を 0 から 3 に設定する事で、 それぞれ最低周波数固定で動作、省電力重視で可変周波数で動作、 速度重視で可変周波数で動作、最高周波数で動作と動作モードを変更できる。
GUI は gkrellm のプラグインとして GKrelLongRunというソフトを藤田さんが 公開して下さっています。
sysctl.conf

Crusoe の LongRun 設定は起動時は 1(省電力重視の可変周波数)となっているので、 3 (速度重視の可変周波数)に変更する設定を/etc/sysctl.confに追加する。

hw.crusoe.longrun 2

/etc/rc.resume

ハイバネイションから復帰した時に moused が無反応になってしまい、 LongRun の設定がデフォルト値の 1 に戻ってしまうので、 /etc/rc.resumeで以下の設定を行う。

test -f /var/run/moused.pid && kill -HUP `cat /var/run/moused.pid` sysctl hw.crusoe.longrun=2
/etc/X11/XF86Config

X の設定も通常とほぼ同様。 液晶の解像度が 800x600 なので設定を 800x600 とする。
グラフィックチップは Silicon Motion Lynx familyを選択し、 水平解像度は20 - 80、垂直同期は55 - 90/etc/X11/XF86Configで指定すれば良い。
謝辞

FIVA-206VL を Windows/FreeBSD で快適に使用できるのは、 先人達の偉大な功績のおかげです。 とても貴重で有益な情報を提供/公開して下さっている全ての方々に感謝致します。
特に参考にさぜて頂いたのは、FIVA 情報と言えば FIVA/InterLink FAQ、 そして高野さんのFreeBSD BariBari Installです。


Last Update: Jan. 3 2005 Copyright © Mitzyuki IMAIZUMI 2002,2004,2005 All Rights Reserved,