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インストール

daemon


Introduction


最近のデスクトップマシンの殆んどは CD-ROM からのブートに対応しているので、 bootable CD-ROM を CD-ROM ドライブに挿入して再起動すれば 何も考えずに FreeBSD のインストールを開始する事ができる。
しかし、ノートパソコンの場合は外部接続の CD-ROM からブートできない場合や、 CD-ROM からはブート出来てもインストーラが CD-ROM ドライブを 認識できない場合もあるので、CD からインストールするのは無理な場合も多い。
今回は IBM 純正の USB接続 CD-ROM ドライブを使用して bootable CD からブート処理だけを行い、 以後のインストール作業はネットワーク経由でインストールする方法を選ぶ。

Boot


本体に CD-ROM ドライブを接続し bootable CD をセットしてパソコンを起動する。
機種によっては BIOS の設定で Boot Device を指定する必要がある場合もあるが、 s30 の場合は電源を入れれば CD-ROM から普通に起動できる様だ。
従来通りにフロッピーディスクを使用して起動する場合は、 boot.flp、kern1.flp、kern2.flp の3種類のイメージをダウンロードして フロッピーディスクを作成し、boot.flp を使用して起動する。
フロッピーディスクから起動したらメッセージに従って フロッピーディスクを入れ替えるとインストール画面が表示される。

Pre Install


ブートが完了したらインストールの開始。

Welcome to FreeBSD!

1. Boot FreeBSD [default]
2. Boot FreeBSD with ACPI disabled
3. Boot FreeBSD in Safe Mode
4. Boot FreeBSD in single user mode
5. Boot FreeBSD with verbose logging
6. Escape to loader prompt
7. Reboot

Select option, [Enter] for default
or [Space] to pause timer 5

この画面ではブートの方法を選択する。 ノート PC の場合、ACPI(電源管理)関係で問題が発生しやすいので、 起動途中で止ってしまう場合などは 2を選択して ACPI を無効にしてみる。
s30の場合はデフォルトのままで問題なくインストーラが実行されるので、 1 を選択して通常通りの起動を指示する。
インストーラが起動したら以下の設定を行う。
  • PC-card
  • インストーラがPC-cardスロットを検出した場合に表示される質問で、 インストールにPC-cardを使用するかどうかをYes/Noで答える。 今回はPC-cardを使用しないのでNoを選択。
  • keymap
  • 日本語キーボードを使用してる場合はjapanese 106を選択
    英語版キーボードを使用している場合は変更しなくても構わないが、 Ctrl キーの位置が気になる場合は USA CapsLock->Ctrlを選択すると Ctrlキーが A の隣りになって快適になる。
  • Custom
  • 好みの設定でインストールできるのでCustomを選択
  • Partition
  • 全てFreeBSDで使用するので全ディスクをFreeBSDに割り当てる
    Windowsやlinuxなど他のOSと共存させる場合は、 他のOSが使用しているパーティションを指定しない様に注意する。
  • Boot Manager
  • Multi bootとしないのでStandardを選択
    Windowsやlinuxなど他のOSと共存させる場合は BootMgrを選択し、 FreeBSD付属のブートマネージャを使用して 起動するOSを選択させる事もできる。
  • Label
  • 256をswapに割り当て、それ以外は/とする
    ディスクの割り当ては色々な考え方があり、 昔は//usr/var/homeを それぞれ異なるディスクに割り当てるのが一般的だったが、 面倒なので全て同一ディスクにしている。
  • Distribution
  • デスクトップとして使用する予定なのでX Windowは必須。 ディスクに余裕があれば全コマンドのソースをインストールしておくと、 後々便利になるのでX-Developerを選択する。 ディスクに余裕がない場合でも、カーネルのソースだけは必須なので、 X-Kern-Developerを選択する。 Portsは勿論インストールする。
    Make world を利用して 最新版の環境を構築する場合は各コマンドのソースも必要となる。 CVSup で取得できるがはじめから全コマンドのソースを インストールするのが楽で良い。
  • Media
  • 前述した通り外部接続のCD-ROMは使えない可能性が高いので、 多少時間はかかるがftpインストールを選択。
    ftp siteはネットワーク的に近い所を選択するのが基本。 今回はftp3.jp.freebsd.orgとした。 s30の場合、インストール用のカーネルは内蔵 NICを fxp0として認識するのでfxp0を使用する。 接続しているネットワークは IPv6 対応ではないので IPv6 コンフィグレーションは不要、 DHCP サービスを使用しているので DHCP コンフィグレーションはを選択。

ここまで設定したら commit する。 後は自動でインストールされるのでお茶でも飲みながら待つ。 選択した Distribution、PCの性能やネットワークの状態にも依存するが、 大体30分〜1時間でインストールは終了する。

Post Install


基本的なインストールが完了したら以下の設定を行う。
ここでの設定の殆んどは/etc/rc.confに保存される。 インストール終了後にエディタで/etc/rc.confを編集して設定を変更したり、 /stand/sysinstallを使用して設定の変更をすることも可能。 設定の詳細は環境構築を参照。
  • Timezone
  • PCの内蔵時計は日本時間なのでUTCはNOを選択
    Timezoneは5(Asia)19(Japan)を選択
  • Network Service Menu
  • 後で設定変更できるが取りあえず以下の設定をする
    • NtpDate on
    • PCの時刻は正確に合わせておきたいので ntpdateを使用する。 ntpserverはjapanを選択
  • Startup Services Menu
    • apm off
    • 5.0 以降は ACPI が使用できるので、 ACPI を使用するためにAPM は無効とする。
    • usb on
    • USB機器を使用するには必須
    • pccard on
    • 5.0 からサポートされた NEWCARD を使用する場合は不要だが、 後述する事情により OLDCARD を使用するため on とする。
    • linux on
    • linux用のバイナリがそのまま実行できるので、 linux用の様々な資産が使えて便利。 チェックすると packages のインストールが始まるので時間がかかる。
    • quotas off
    • 個人でしか使用しないノートPCなのでディスクの容量制限は不要

最後にリブートすればインストールは終了。FreeBSD の世界へようこそ!


Last Update: Nov. 29 2005 Copyright © Mitzyuki IMAIZUMI 2002,2004,2005 All Rights Reserved,